前の10件 | -
tamanossimoの『遠く儚い道』
・・・ようこそ
ようこそお越しくださいました…
ここでは
「遠く儚いリサイタルへの道」と
お歌のことについての記事を載せて参ります。
それでは
さっそく
「tamanossimoの遠く儚い道」へ
ご案内いたしましょう。
■ 遠く儚い道 ソプラノリサイタル『 悲しき歌 』
Deep Red Rose / JoshBerglund19
あたしには…音楽に関して
生涯3つの願いがあったの~~
1つ目がオーケストラ伴奏で歌うこと
2つ目がリサイタルをすること
3つ目がCDを出すこと
いよいよあたしは…
2つ目の願いを叶えることになって…。
* * * * * *
当日は
9:30無事にホールに到着。
あたしはピアノの無いA楽屋に入る。
バス・トイレつきの豪華なお部屋よっ
黒に細かい水玉の
簡単なイヴニングに着替えて
楽屋Dにて声出し。
間もなく
舞台のピアノ調律が終わり
舞台へ移行。
舞台にての声出しを兼ねてのリハ。
う~ん。
朝は声が出にくいよっ
スタッフが続々集まり始める。
ヘアメイクのM先生にMIHOから順に
それぞれの楽屋でヘアメイクをしていただく。
AYAKO先生到着!!
衣装はつけずに
さっそく舞台にてゲネプロ。
AYAKO先生に
「最終チェック」をしていただく。
ここでも先生の厳しいご指導は続くわ~
そして
いよいよ開場・・・
受付・舞台裏では
スタッフがスタンバイ!!
わたしは直ちゃんに
お手伝いいただいて
衣装をつけるわ~
いやん~
妖精みたい・・・(ええぇっ!?)
その間もステージマネージャーの
YUJINくんと打ち合わせ。
第1曲目の
「カッチーニのアヴェ・マリア」のみ
ピンスポットを使うことになっていたので
その点を確認。
さぁ…開演のベルが鳴ったわ!
いよいよ
スポットに照らされた舞台へ……。
間違えながら
泣きそうになりながら
わたしは歌うわ~
今のわたしが
出し得る
全てを賭けて……。
■ 〈ホール編〉
「その日」への階段をまず一段
のぼり始めたわ……。
* * * * * *
今日から何回かに分けて
リサイタルに向けての準備を
お話していこうと思うの~。
まずはホールを選んで…
COCOちゃんは
ぱぱのお兄さまのお嬢様だから
COCOちゃんのお父様とうちのぱぱの
出身の「北区」のホールも
良かったんだけど…
けど…
わたしはどうしても
トッパンホールで
演りたかったの~~っ
とれるかどうかわからない
公共のホールや
384席の椅子を並べる
音響の悪い
サントリーホール小ホール
(ブルーローズ)も
265席しかない
東京オペラシティ
コンサートホールの
リサイタルホールも嫌だったの…
(こちらも座席は可動式よ)
で…
大好きなトッパンホールに決めたって訳!!
「そして…トッパンホールへ」(サイトより)
物質文明が極まった感のある現代。モノに価値を
見出していた時代から一転して、最近では「感性
=感じる心」が重視されるようになってきました。
コミュニケーションをキーワードに事業展開する
凸版印刷では、今後コミュニケーションにおいて
「心を動かされること=感動」が重要なファクター
になると考えています。 創業100周年を機に企業
としてより一層社会文化貢献に注力していくなか
で、日本で初めての本格的な印刷博物館(http://w
ww.printing-museum.org)と優れた音響空間を誇
るコンサートホール「トッパンホール」を設立し
ました。感動を生みだすさまざまな芸術のなかで
も、「音楽」を選択した理由には、とりわけ音楽
が、世界共通の言語と言われ人々のコミュニケー
ション手段として最も広く愛されていることが挙
げられます。また、前述のように印刷とクラシッ
ク音楽とは歴史的にも密接な関係で結ばれており、
これらの背景をもって、トッパンホールは産声を
あげるに至りました。
演奏家と聴衆、舞台上での演奏家同士、聴衆とス
タッフ…など、コンサートをめぐって
出現するコミュニケーションの場面は
さまざまですが、トッパンホールは、
多くの方々に音楽を通しての対話を楽
しんでいただける広場のような空間で
ありたいと思っています。 みなさまに
とって「心にいちばん近い場所」であ
りたい ―それが、トッパンホールの願
いです。
ふふぅ…♪
素敵でしょ!?
先日はホールに見学に行ったんだけれど
やっぱり何にお金がかかるかって言ったら
「ホールの使用料金」が大きいの!
通常は「使用料金」のほかに
「付帯設備」と言って…
舞台設備・音響設備・照明設備・
映写設備・録音設備・ホール案内業務
(クローク・チケットもぎり等)に加えて
楽屋・リハーサル室(使用する場合のみ)
中にはシャワー室まで別料金の
ところもあるみたい…
わたしが利用したいこのホールは
その「付帯設備」がほとんど料金に
組み込まれているわ~
あとはピアノ使用料(スタインウェイ)と
調律料は別にお支払いするんだけど…
(※調律はピアニストが選べる訳ではなく
ホール直属の「スタインウェイ」あるいは
「松尾楽器」から調律師がお越しくださるとのこと)
この上は無事にホールがとれることを願うばかりなんだけど
何分にも通常は1年6カ月前の予約受付のところを
半年前にもぐりこませてもらったって事もあって…
現在はお返事待ちの状態なの~
どうなることやら……
■ 〈きっかけ編〉
Municipal Theatre of Cagli I /David Barrie
さて「みなしご」で…貧乏ぐらしのわたしが
どうしてリサイタルを開けることになったか、に
少しふれておこうと思うの~
* * * * * *
幼少の頃からいつも本当に
可愛がってくださる
従姉のCOCOちゃん…
(ご主人さまとともに画材やさんを経営しているわ)
今回のリサイタルでは
そのCOCOちゃんが
出資してくださることになったの!!
彼女は…
わたしの亡くなったぱぱの
兄の子供で…
早くに両親を亡くし
結婚もしなかったわたしの
面倒を見てくださる思いも
あるとは思うんだけど…
COCOちゃんはおっしゃるわ~~
「私はね。もちろん画家の作品も
(陶芸等の)作家の作品も
できるだけ購入するの…
それはね…
作家たちがアルバイトなんかしないで
作品に没頭して欲しいからよ~
tamaちゃんのことも同じ思いなの~!」
って……
「tamaちゃん…
リサイタルをしましょうよ…。」
リサイタル…
リサイタル……
リサイタルっ!!
わたしって……
わたしってなんて幸せ者なの!?
■ 〈 写真編 〉
ご報告いたします…。
ホールが……
ホールが……とれました~~っ!!
「ホール使用申込書・公演計画書」を送付して
幾日かしら…本日「使用承諾書」を受け取りました。
みなさまにはご心配をおかけして…
さっ、これからは忙しくなるわねっ!?
* * * * * *
前に「じろじろさん」って書いたんだけど…
あたしね…こんなだから(どんなだよっ!!ぷっ)
写真も超苦手なの~~
今回はチラシやプログラムに載せるために
どうしても写真を撮らなくちゃ
いけなくなっちゃって…
もぅ…
逃げも隠れも出来ない~~っ
以前にお勤めしていた音楽教室では
講師の先生たちもよく
「プロフィール写真」ってのを
撮ってらしたの。
音楽家によく使われるのが
日比谷シャンテ内の『オプシス』
オプシス様より拝借
料金は女性一人13200円で、
システムはヘア&メイクが付いていて
撮影は上半身12カット撮影カットを
モニターで選択出来るらしいの~
そういえばここで「天童よしみ」が
「お姫様」になった
ピアニストもいたわね~~っ
オプシス様より拝借
わたしが今回ネットで探したのが
青山のスタジオで
『photographic studio ALIA』
ここは「撮られかたレッスン」
っていうのもあって
撮影時間が普通の3倍もかかるらしいの~
撮影枚数は300枚以上で
「全データフォトCD(撮影の初めから
終わりまで、すべての撮影データ)」
をくださるそう!
ただし料金も3倍なの…
アリアフォトグラフィックスタジオ 青山スタジオの紹介
まっ、わたしは
天童よしみ似じゃないからねっ!?
当然ALIAを選ぶわ~~っ
それに……ふふふ。
日本舞踊写真の修正(描かれちゃって…。)
じゃないけど
今はシミやシワはもちろん
消してくださるんでしょう!?
できれば
わたしの二重アゴや
ポッコリ
(モッコリじゃありません~)出たお腹も
ぜ~んぶ消して欲しいんだけど…
あっ、そうそう過去の男の影もねっ!?
ぎゃは~~っ
■ <曲目編>並べちゃって…。
Rose Drops / audreyjm529
さて、肝心のリサイタルの曲目のことね!?
リサイタルをなさるみなさまは
どうやって曲目を選んでらっしゃるのかしら!?
わたしは声域がソプラノなんだけど…
* * * * * *
先日のレッスンでは(当時)
わたしが歌いたい曲目を
先生に提出したんだけれど…
第1曲目に
カタラーニ(Alfredo Catalani)作曲の
オペラ『ラ・ワリー』より
「ああ、わがふるさと」 を選んだら…
先生に「とんでもないっ!!」って
言われちゃって…
(そんな重い曲を最初に選んでどうするのっ!?って)
先生によると…
「私がアクリヴィ先生(注)から言われたのは…
『リサイタルをする時には…
みなさまのお陰でリサイタルが出来ますことを
神さまにお礼するという意味で
"祈り”に通じる曲を選ぶものよっ』って
言われているわ~
ワリーじゃどうなの!?
第一重すぎるでしょ!?」
って!!
他にもわたしは
大曲を並べてしまったんだけど…
「これじゃあ…
最後まで持つかしら…!?」
って言われちゃって……
わたしには亡くなったぱぱ方の伯母と
同じくまま方の叔母がいて…
お二方にはそれぞれ
「赤とんぼ」と「母さんの歌」を
プレゼントしようと思っているの~~
それとCOCOちゃんのリクエストの
『蝶々夫人』の「ある晴れた日に」は
どうしても外せない…
それなのに先生は…
ドビュッシーや
プーランクの
難しい曲をくださるし……
一月中には決めなくちゃね!?
だけど、まだまだ…
ひと波乱もふた波乱もありそうな…
そんな気配なの~~っ!!
どうなることやら…
ふぅ……
■ ■ ■
Anna Netrebko (La Wally) Ebben ne andro lontana (Paris 2007)
注)福沢アクリヴィ先生:東京音大でも客員教授をなさってらした「わたしの先生の先生」。
ギリシャ人。福沢諭吉の孫のお嫁さん。
ご子息は事故で亡くなったカーレーサー福沢幸雄氏。
■ 歌えなかった『 La Wally』
Flower by X10 / Adr?en
今日はEva Marton Catalani作曲の
オペラ『La Wally』より
アリア「さようなら、ふるさとの家よ」を
ご紹介するわ~~っ
リサイタル時に
「一番最初の曲に歌いたい」と
先生に申し出た曲が
この『La Wally』の
「Ebben, ne andro lontana」なの~
そう…
それぐらい…大好きな曲なのよ~~
* * * * * *
あたしね…あたし…
ままに捧げたかったの…。
涙無しでは歌えない
『O della madre……おぉ…お母さま……』
のくだり…
ままのために歌いたかったの…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
歌劇『ラ・ワリー』は、全4幕の恋愛悲劇オペラで
1892年にイタリア・ミラノでトスカニーニによっ
て初演がおこなわれた。原作は、 ヒッレルンの小
説と戯曲「禿鷹のワリー」で ある。 スイス・チロ
ル地方を舞台に、裕福な地主の娘ワリーは、隣村の
猟師ハーゲンバッハを愛しているが、父親はそれを
認めずワリーを執事ゲルナーと結婚させようとする。
ワリーはハーゲンバッハと激しく愛し合う
が、雪の山道で雪崩に襲われ谷底に落ちた
ハーゲンバッハの後を追って、ワリーも谷
底に身を投げる 。
「さようなら、ふるさとの家よ」(私は遠い
ところに行きましょう)は、この歌劇の中
でもっとも有名であり、第1幕において、愛
する人と一緒になるために家を出る決意を
した ワリーが歌うアリアである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
作曲のカタラーニについても少しだけ…
残念な事に39歳という若さで早逝してしまった
カタラーニ…。
もしカタラーニが長生きしていたら、プッチーニと
素晴らししい競争を繰り広げていたでしょう。プッ
チーニがエキゾチシズムを好んだのに対し、カタラ
ーニは、ヴェルディよりワグナー寄りの新ロマン主
義からインスピレーションを受けていました。「ラ
・ワリー」で最も人気のあるアリア「さようなら、
ふるさとの家よ Ebben? Ne andrò lontana」
の、オーケストラのバイオリンで奏でられ
る見事な半音階のイントロは、ワーグナー
の和声のアプローチに非常に近いものがあ
ります。カタラーニの出身地は、プッチー
ニと同じルッカでした。カタラーニがもっ
と長生きしていたならば、同じルッカ出身
の二人が、ヴェリズモのグランドチャンピ
オンの座を競っていたかもしれません。
そして…この
「さようなら、ふるさとの家よ」
(私は遠くへ行きましょう)は
映画「ディーヴァ」の中でも歌われた
非常にドラマチックな音楽で、
いかにもヴェリズモ・オペラの
アリアという存在感を残している
作品です。
ここで歌詞を見てみてね♪
「Ebben, ne andro lontana」
Ebben・・・?
Ne andrò lontana,
come va l'echo della pia campagna,
là, fra la neve Bianca, là, fra le nubi d'or,
laddove la speranza, la speranza,
è rimpianto, è rimpianto è dolor!
O della madre mia casa gioconda,
la Wally ne anrdà da te lontana assai,
e forse a te, e forse a te non farà,
mai più ritorno, ne più la rivedrai!
Mai più, mai più!
Ne andrò sola e lontana,
come l'eco della pia campagna...
là, fra la neve bianca;
Ne andrò sola e lontana,
E fra le nubi d'or・・・!
それでは…
遠くに行ってしまわねばなりません
まるで、行けと鐘が鳴っているようですわ
白い雪のかなた 雪のかなたに…と。
希望もなしに 悲しみと悩みにつつまれて。
おお、お母さま、たのしいわが家。
ワリーはそこから出て
ほんとに遠くへ行かねばなりません。
それがお前の運命、
もう決して帰ることもなく、
見ることもできないわ。
決して、決して!
そこから出て行かねばなりません……
Youtubeをぜひ
お聴きになってみてね~~
『O della madre……
おぉ…お母さま……』
のくだりが涙無しでは聞けないっ
少なくとも…
あたしは…
歌うたびに泣けてくる……
きっと…
ままのことを思い出すの…。
だめな…あたしね……
Anna Netrebko - Catalani: La Wally: “Ebben? Ne andro lontana”, Act 1
■ ■ ■
DVD「ベルサイユのばら 音楽集 [完全版] 」より
tamanossimo『宝石の歌』41:30から
OST - Rose de Versailles Complete Edition - CD2
〈 タイトル編 〉
Jane's "pearls" / Saucy Salad
さて…
次は「リサイタルタイトル」のお話よっ!
リサイタルをなさる方は
どんなタイトルをおつけになるのかしら!?
* * * * * *
調べてみたら…
やっぱり圧倒的に多いのが
「○○○○(名前)ソプラノリサイタル」ね!?
ほかにも…
「○○の夕べ」とか
「○○にのせて」
「○○の楽しみ」
「○○への誘い」
「○○の世界」は多いみたい~~
たまにアンサンブルで
「○○と愉快な仲間」ってのもあったけど…ふふ。
あるサイトによると…
『季節のキーワードをいれる
長すぎないタイトルがベスト
2回目以降のコンサートには
「第○回」などの文面を追加しよう
他のコンサートのタイトルと
重複していないかチェックする』
なぁんてのを
参考にするといいそうな…
なるほどねぇ…
けど…
今…わたしが考えているのが…
『 ――悲しき歌――
Chanson Triste 』
ってタイトルなの~~
(全然参考にしてないって!? きゃは~~)
⇧のちに出来たのがこれっ
わたしの歌は
人を泣かせる力があるわっ
(と、勝手に思ってる…)
毎年の発表会では
もちろん何人かの方に
「聞いていて
涙が出て来たわ~っ」って
言われるし…
『可愛い坊や』(蝶々夫人が
自害する前に歌うアリア)を歌ったときには
「ほんとうに泣いてしまって…」って
興奮気味にお話してくださる方も
いらしたの~~っ
今回のリサイタルも
『曲目編』でもお話するんだけど
「悲しい曲」ばかりにしたのっ!
で、わたしの作戦なんだけど
曲で泣かせて
トークで笑わせる
ってのはどうかしら!?
(こんなこと先生に言ったら大変ねっ!?
先生には黙ってよっと!!
「やったもん勝ち」だもんね!? ぷっ)
さぁ~~っ
泣かせるわよっ!!
ハンカチのご用意はよろしくって!?
ぎゃは~~っ!!
Duparc: Chanson triste
Chanson triste
tainted with sadness / fRandi-Shooters
あの…
リサイタルの日から
間もなく2年が経とうとしているわ~
tamanossimoの『遠く儚い道』
ソプラノリサイタル『悲しき歌』
遠く儚い道〈 赤とんぼ 〉
そのリサイタルの
タイトルに選んだのが
『悲しき歌――Chanson triste――』
なの~
***
デュパルク(Henri Duparc)作曲の
「悲しき歌 Chanson triste」は
たくさんの作品の中から
わずかに17曲残った歌曲のうちの
1曲だったわ~~
何故…「残った」のかは
後でご説明するとして…
この「Chanson triste」は
フォーレの『Après un rêve』同様
(Après un rêve「夢のあとに」)
色っぽくて
洒脱で
アニュイな…
フランスのesprit ぷんぷんな
めっちゃ…素敵な曲なの~っ
はじめにDuparcをご紹介しておくね!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アンリ・デュパルク (ウジェーヌ・マリー・アンリ・フーケ・デュパルク
Eugène Marie Henri Fouques Duparc、1848年1月21日パリ –1933
年2月12日モン=ド=マルサン )は、フランス後期ロマン派の作曲家。
セザール・フランクにピアノと作曲を師事する。 デュパルクはフランクの
最初の作曲の弟子の一人にあたる。
1885年、37歳の時に突然作曲ができなくなる。診断は神経衰弱(Neuras
thenia)であった。その後は家族との時間や、絵画制作に没頭するが、20
世紀に入ると次第に視力が失われていく。
今日デュパルクといえば、17曲の歌曲が著名である。これらの歌曲は、ボ
ードレー ル、ゴーティエ 、ゲーテなどの詩に作曲されたもので、いずれも
繊細な叙情表現やリヒャルト・ヴァーグナー の影響を受けた劇的表現に優
れ歌曲の最高傑作に数える者も少なくない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
音大では実技試験ってあるんだけど
声楽科はオペラアリアと歌曲を
別々に受験するの~
で…あたしは卒業時に
オペラアリアに『椿姫』の
「あぁ…そは彼の人か~花から花へ」を
歌曲にこの「Chanson triste」を歌ったので
思い入れも強いの…
それから…詩も
これまた
く~らくらしてきちゃうような
官能的な詩なの~~
「悲しき歌」 Chanson triste
詩: J.ラオール
あなたの心の中に眠る月の光
夏の夜の月のやさしい光
私はあなたのその光の中に
わずらわしいこの世から逃れるために溺れたい。
わが愛よ…あなたがその素敵な手で
私の悲しい心の思いを静かに慰めてくれるとき
私は過ぎ去った苦しみのすべてを忘れてしまうことだろう。
あぁあなたは時々そのひざに
私の病みやつれた頭をのせて
バラードを歌ってくれることだろう
そのバラードは私たちのことをうたう歌…
そして悲しみにあふれるあなたの目の中に
その目の中に私はあるいは私を癒してくれる
やさしい口づけを飲みほそう。
Dans ton cœur dort un clair de lune, Un doux clair de lune d'été,
Et pour fuir la vie importune Je me noierai dans ta clarté
J'oublierai les douleurs passées, Mon amour, quand tu berceras
Mon triste cœur et mes pensées Dans le calme aimant de tes bras
Tu prendras ma tête malade Oh! quelquefois sur tes genoux,
Et lui diras une ballade Qui semblera parler de nous
Et dans tes yeux pleins de tristesse Dans tes yeux alors je boirai
Tant de baisers et de tendresses Que peut-être je guérirai
さて…冒頭の
『残った』ことについてなんだけれども
……
『大部分の作品を自ら破棄したため
歌曲を中心にごく少数の作品しか残されていないが
「旅へのいざない」 などの残された作品のいくつかは
フランス歌曲を代表する歌曲とみなされている。』
ってあるわ~
歌曲のほか少数のピアノ曲、管弦楽曲を作曲した(全部で約500曲といわ
れる)が、作品の大 半は自身の手で破棄し、残された作品は40に 満たな
い。1922年1月19日付けで弟子で親友で もあったジャン・クラに宛てた
手紙のなかで、 未完に終わったオペラ『ルサルカ』の破棄につ いて次の
ように述べている。
“ Après avoir vécu 25 ans dans un splendide rêve, toute idée de rep
résentation m'était – je vous le répète – devenue odieuse. L'autre
motif de cette destruction, que je ne regrette pas, c'est la complète
transformation morale que Dieu a opéré en moi il y a 20 ans et qui
en une seule minute a abolie toute ma vie passée. Dès lors, la Rou
ssalka n'ayant aucun rapport avec ma vie nouvelle ne devait plus e
xister.
(すばらしい夢のうちに25年間生きてきて、表現するということがなにも
かも -- 君にだけ言うが -- 嫌になってしまったのだ。 これを破棄するもう
一つの理由は(破棄することは悔いていない)、20年前に神が私の精神を
完全に変えてしまわれ、一瞬に して私の過去の人生を全て捨て去ってしま
われたからだ。従って、『ルサルカ』は私の新しい人生とは全く関係がな
く、もはや存在している必要がないのだ。) ”
あああぁぁ…
デュパルク自身の手によって
破棄されてしまったいくつもの作品…
どんだけ
素晴らしかったのかしら……
それを思うと
世に出ることの出来た『残った』曲たちを
大切に歌っていきたいって思うあたしなの…。
(今日は真面目…ぷっ)
opacity / jenny downing
Gérard Souzay; "Chanson triste"; Henri Duparc
Jonas Kaufmann - Chanson triste (Henri Duparc)
2013-04-30
夢のあとに
Dreamed recollections / by onnoth
夢の中にあなたの美しい姿があった…私の幸福の夢、燃え上がる幻影。
あなたの瞳はとても優しく、声は澄んで響いた…あなたは輝いていた 暁に照らされた空のように;
あなたは私を呼び 私は地上を離れた 二人で光の彼方に逃れるために。
空は私たちのために天空の扉を開き 見たこともない麗しさ 神からの微かな光が見えた;
あぁ、あぁ、 なんという悲しき目覚め
私は呼ぶ、おぉ夜よ、あの人の幻影を私に返して
もう一度、もう一度輝かせておくれ
もう一度、おぉ神秘に包まれた夜よ!
(作詞:Romain Bussine)
わたしのお歌の先生は「フランスもの」がお得意でらっしゃるの~~
リサイタル前…曲目選びの時点で
ふと、気づいてみたらプログラムに「フランスもの」がひとつも無いってことが判明して…。
Duparcの歌曲に「Chanson triste」ってあるんだけど(わたしも卒業時に歌ったわ~)
音大って卒業論文の代わり?に卒業演奏なの。
で、オペラアリアから一曲と歌曲の中から一曲って課題があるわ。
その歌曲をDuparc「Chanson triste」にしたってワケ。
その時もタイトルを『悲しき歌・・・Chanson triste・・・』にしたもんだから
先生に「タイトルにあるのに歌わなきゃ」って言われちゃって…
そこで、一曲フランスものを入れるとしたら
『Apres un reve』にしようって決まったの~~
このFaureの「夢のあとに Apres un reve」は
Faureの歌曲中最も有名な曲なのよ…
その甘美で官能的な旋律は聴いただけで
思わずイキそうになるような美しさなの~~っ
あぁあぁぁぁぁ
聴いて…みてぇ…
まずは男声で…Robert Meadmore
3人の女性コーラス…Tenebrae Choir
最後に女声…Nathalie Stutzmann
ああぁぁぁぁあああ・・・
どうなの~~!?
イキそうでしょ!?
うふふふふふふふふっふふっふ。
(昨日登場した「るる」にその時フランス語を録音してもらっちゃった~~っこれもお聴かせしたいなっ)
Rose and drops / paulscott56
2011-01-10
前の10件 | -